AV over IP システムと従来型AVシステムによるハイブリッドシステムにより、保守サポート性にも優れた次世代型の学び舎が誕生
立命館大学 大阪いばらきキャンパス
4K AV over IP Dante マルチビュー ハイブリッド型授業
大阪いばらきキャンパス(以下、OIC)は大阪市と京都市の間に位置する茨木市に2015年4月に開設され、社会共創型の新しいモデルを示しグッドデザイン賞を受賞するなど立命館を代表するキャンパスの一つです。そして、2024年に「SOCIAL CONNECTED CAMPUS(リアル×バーチャルが融合するキャンパス)」というコンセプトのもと情報理工学部と映像学部が移転し、その実践拠点として9階建ての新棟「H棟」が竣工しました。場所や時間を超えたつながりをつくり、立命館の学園ビジョンR2030「挑戦をもっと自由に」を体現すべく、学生が失敗を厭わずにチャレンジができる学習環境「TRY FIELD」としてハード・ソフトの両面で新たな挑戦を行っています。
学内各所では、教室以外の場所でもノートPCを広げて授業を受けていたり、課題に取り組んでいたりする学生の姿を多く目にすることができ、「学ぶ」スタイルの変化に対応した教育環境が整えられています。

今回は、学校法人立命館が運営する大学のAV設備のシステム統括、機器選定を担当されている情報システム部情報基盤課の倉科様にお話を伺いました。
背 景
- 大学から社会に新しい価値を提供していける環境をつくりたい
- OICのビジョンである「SOCIAL CONNECTED CAMPUS」時間や場所を超えたつながりを様々なカタチで実現する教育環境の整備
- 次世代研究大学として新しい学びのスタイルを実践していける環境「TRY FIELD」というコンセプトを体現できる学習環境の整備
課 題
- 大規模な授業でグループワークを実現できる環境をつくること
- 持ち込んだ機器を自在につかえ、簡単に使えること
- 試行や改善が行いやすくできるように、拡張性を確保できること
- 映像と音声の入出力を自由にコントロールできるようにしたい
- 音声の取り出しや接続方法に関する複雑化を避け、将来的にも運用効率やアップデートをしやすい教室にしたい
効 果
- 学生がワークや発表などアクティブに学ぶ100名を超える規模の授業を実施できた
- 持ち込みPCや備えつけのカメラなどいろいろなツールをシームレスにつかうことができ、わかりやすさ、作業効率が向上した
- Web会議などを融合させたハイフレックスな環境を教室全体でもグループワークでも使用でき、リアルとネットワークの双方向コミュニケーションが実現でき、社会とつながる授業や受講機会の向上を図れた
- 複雑なシステムを、IP-NINJARトランシーバーモデルの導入によりネットワークスイッチの制約を克服し、システムの効率性が向上した
- 音声の取り出しや接続の便利性が向上し、運用上の混乱がない操作が可能になった
- 実践を踏まえた改善を実施しやすい環境が構築できた
システム概要

各学生ブースには、持ち込みPCや講義映像、他のグループワーク映像などを表示する43インチモニターとグループ学習の際のタイマー表示や進捗状況などのステータス表示ができるタッチパネルモニターを備えている。さらに、グループワークをサポートするマイク、カメラや持込デバイス接続用のケーブルが備えられている。タッチパネルモニターを除いたソース・シンク機器は IP-NINJAR(AV over IP)により統合されている。一方、教卓側のソース機器と教室全体に向けたプロジェクターの大型表示と天吊りの補助ディスプレイが備えられており、これらはマトリクススイッチャー(FDXシリーズ)による従来型システムで構築されている。
メンテナンスがしやすい建設設計がされており、バックヤードのラック収納棚や床下メンテンナンスの点検口など、将来的にアップデートしやすい構築がなされている。また、IDKのAV over IP製品とNETGEAR社ネットワークスイッチとの相互動作は検証済みのため、設定などの手間を少なく親和性の高いシステム構築が可能となる。


IP-NINJAR AV over IP(中)、マトリクススイッチャー FDXシリーズ(下)



メイン講義卓のモデレータステーションから持ち込みPCをUSB Type-Cで接続が可能。その場から動かずに教室全体の状況を確認できるよう返しモニターが3台設置されている。発言者の追跡やワーク進捗など、教員のためのサポートが考慮されており、多人数でグループワークが行えるよう細部までこだわった設計がされている。
システム操作画面はタッチパネルになっており、誰でも操作できることを担保しながらも、システムを使い倒したい教員には細かい設定が可能。多様な授業ニーズに対応できるシステムとなっている。


最新テクノロジーを研究可能な大学へ


日本初の形態をもつ学び場へ


コロナ禍で得た利便性をリアル授業でも可能に


場所にこだわらない、柔軟な授業参加が実現

運用効率やオーディオ連携の優位性が、IP-NINJAR採用の決め手に
①80台を超える機器の設定が一つの管理画面で行える
②スイッチの設定やルーティング、IPアドレスの管理などネットワークに関する設定が不要
③音声をDanteで自由に取り出せる
④ネットワーク機器を含めた検証がなされている
などのメリットからIP-NINJARシリーズの採用を決定しました。また、双方向同時伝送に対応したトランシーバーモデルの登場により、ネットワークHUBポート数の制限や調整の問題が解消され、システムの実現が容易になったもの決め手の大きな要因になりました。


