USB とは?
USB(Universal Serial Bus)は、コンピューターと周辺機器を接続するための通信規格です。 USBはデータの送受信や電力の供給を行うための共通のインタフェースを提供し、さまざまなデバイスを容易に接続することができます。 USB端子を採用しているデバイスは、PCやスマートフォンはもちろん、ディスプレイやプロジェクター、キーボードやマウス、モバイルカメラなどさまざまな種類があります。
| コネクターの種類 |
多種にわたるUSBコネクター(接続端子)
Type-A
Type-A は、もっとも標準的なUSB規格のコネクターのひとつです。USB Type-A コネクターは、パソコンや周辺機器、デジタルデバイスなどの間でデータのやり取りや電力供給を行うための通信規格です。 端子カテゴリは3種類(形状別だと4種)があります。

Type-B
Type-B は、通常、デバイス側に搭載され、パソコンやハブなどのホストデバイスと接続するために使用されます。プリンター、スキャナー、外部ハードドライブ、オーディオインターフェースなど、さまざまなデバイスで採用されています。 端子カテゴリは3種類(形状別だと5種)があります。

Type-C
Type-C は、近年広く普及している多用途の接続コネクターです。電力とデータの両方を送信できる小型のリバーシブルコネクターです。スマートフォンやタブレット、PCやモニター、キーボードなどのさまざまなデバイスで採用されています。 端子カテゴリは1種類のみです。

USBのコネクター対応表
| Type-A | Type-B | Type-C | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Standard-A | Mini-A | Micro-A | Standard-B | Mini-B | Micro-B | ||
| USB 1.0 | ![]() |
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ー | ー | ー |
| USB 1.1 | ![]() |
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| USB 2.0 | ![]() |
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| USB 3.2 Gen1×1 | ![]() |
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| USB 3.2 Gen2×1 | ![]() |
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| USB 3.2 Gen1×2 | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ![]() |
| USB 3.2 Gen2×2 | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ![]() |
| USB4 Version 1.0 | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ![]() |
| USB4 Version 2.0 | ー | ー | ー | ー | ー | ー | ![]() |
| USBバージョン規格 |
進化するUSBテクノロジー
伝送速度
| バージョン規格名 | 区分名称 | 最大伝送速度 | |
|---|---|---|---|
| USB 1.0 | Low-Speed/Full-Speed | 1.5/12Mbps | |
| USB 1.1 | Full-Speed | 12Mbps | |
| USB 2.0 | High-Speed | 480Mbps | |
| USB 3.2 Gen1×1 | SuperSpeed | 5Gbps | |
| USB 3.2 Gen2×1 | SuperSpeed+ | 10Gbps | |
| USB 3.2 Gen1×2 | SuperSpeed 10Gbps | 10Gbps | |
| USB 3.2 Gen2×2 | SuperSpeed 20Gbps | 20Gbps | |
| USB4 Version 1.0 | USB 20Gbps* | 20Gbps | |
| USB 40Gbps* | 40Gbps | ||
| USB4 Version 2.0 | USB 80Gbps* | 80Gbps | |
*「USB 20Gbps」「USB 40Gbps」「USB 80Gbps」は、伝送速度区分名称と新マーケティング名称 ( 2022年~ ) との両方で使用されますが、これは同じ速度を指しています。
電力供給
| 電力供給規格名 | 対応コネクター | 最大電力供給量 | |
|---|---|---|---|
| USB 1.0 | Type-A Type-B |
500mA(2.5W) | |
| USB BC 1.1 | Type-A Type-B |
900mA(4.5W) | |
| USB BC 1.2 | Type-A Type-B |
1.5A(7.5W) | |
| ― *1 | Type-C | 3A(15W) | |
| USB PD 1.0 USB PD 2.0 USB PD 3.0 |
Type-C | 5A(45W)*2 | |
| USB PD 1.0 USB PD 2.0 USB PD 3.0 |
Type-C | 5A(65W)*2 | |
| USB PD 1.0 USB PD 2.0 USB PD 3.0 |
Type-C | 5A(100W)*2 | |
| USB PD 3.1 | Type-C | 5A(240W)*2 | |
USBバージョン規格の表記ルールまとめ
さらに「開発者向け」と「マーケティング向け」の名称が混在して使用されていることも一因し、
USBを使用するうえで注意する必要があります。
開発者向け名称
| 2022年11月~ | 2019年9月~ | 2017年9月~ | 2013年8月~ | 2008年11月~ | 2000年4月~ |
|---|---|---|---|---|---|
| USB 1.0 | USB 1.0 | USB 1.0 | USB 1.0 | USB 1.0 | USB 1.0 |
| USB 1.1 | USB 1.1 | USB 1.1 | USB 1.1 | USB 1.1 | USB 1.1 |
| USB 2.0 | USB 2.0 | USB 2.0 | USB 2.0 | USB 2.0 | USB 2.0 |
| USB 3.2 Gen1×1 | USB 3.2 Gen1×1 | USB 3.2 Gen1×1 | USB 3.1 Gen1 | USB 3.0 | ― |
| USB 3.2 Gen2×1 | USB 3.2 Gen2×1 | USB 3.2 Gen2×1 | USB 3.1 Gen2 | ― | ― |
| USB 3.2 Gen1×2 | USB 3.2 Gen1×2 | USB 3.2 Gen1×2 | ― | ― | ― |
| USB 3.2 Gen2×2 | USB 3.2 Gen2×2 | USB 3.2 Gen2×2 | ― | ― | ― |
| USB4 Version 1.0 | USB4 Gen 2×2 | ― | ― | ― | ― |
| USB4 Gen 3×2 | ― | ― | ― | ― | |
| USB4 Version 2.0 | ― | ― | ― | ― | ― |
新マーケティング名称(2022年~)
| マーケティング名称 | 開発者向け名称 | 最大伝送速度 |
|---|---|---|
| USB 5Gbps | USB 3.2 Gen1×1 | 5 Gbps |
| USB 10Gbps | USB 3.2 Gen1×2 | 10 Gbps |
| USB 3.2 Gen2×1 | 10 Gbps | |
| USB 20Gbps | USB 3.2 Gen2×2 | 20 Gbps |
| USB4 Version 1.0 | 20 Gbps | |
| USB 40Gbps | 40 Gbps | |
| USB 80Gbps | USB4 Version 2.0 | 80 Gbps |
| USBの機能 |
豊富な機能による万能ケーブル
製品の仕様を確認することで、どの機能が利用可能か確認することが重要です。
データ転送
- コントロール転送
- コンフィギュレーションやデバイスの状態の管理など、制御情報の転送に使用
- バルク転送
- 大容量のデータの一方向転送に使用
- インタラプト転送
- 一定の周期で小容量のデータを送信するために使用(例:マウスやキーボード)
- アイソクロナス転送
- リアルタイム性が要求されるデータ転送に使用(例:音声やビデオ)
プラグアンドプレイ
プラグアンドプレイ(Plug and Play)とは、コンピューターや周辺機器の接続時に、自動的にデバイスを認識し、必要なドライバーのインストールや設定を実行する機能です。 従来の接続方式では、デバイスを接続した後に専用のドライバーソフトウェアをインストールしたり、設定を手動で行ったりする必要がありました。しかし、USBの登場によりプラグアンドプレイ機能が広くサポートされるようになりました。
バスパワー
USBポートからデバイスに電力を供給する機能です。USBバスパワーの電力供給の能力は、電力供給規格(USB BC)ごとに異なります。最大15Wの電力供給が可能です。この電力は、接続されたデバイスが動作するために使用されます。 最大240Wの高電力供給が可能な USB PD機能はバスパワーとは異なる仕組みです。高出力を要求するデバイスや急速充電には、USB PDが適しています。
UVC/UAC規格
UVC(USB Video Class)は、USB接続を介してビデオデバイス(ウェブカメラやビデオキャプチャデバイスなど)をコンピューターに接続するための規格です。ビデオ会議、ライブストリーミング、ビデオキャプチャー、ビデオ録画など、さまざまな用途でUSB Video Classに準拠したデバイスが活用されています。 UAC (USB Audio Class)は、USB接続を介して音声デバイスを接続するための規格です。一般的にスピーカー、ヘッドフォン、マイク、オーディオインターフェース、USB DAC(デジタルアナログ変換器)など、さまざまなUSBオーディオデバイスで使用されています。
DisplayLink
DisplayLink社が開発した独自の映像伝送技術の名称で、この技術を使うことで、ホストコンピューターとUSB接続するだけで簡単にディスプレイに映像出力することが可能になります。 通常、コンピューターと外部ディスプレイを接続するには、HDMI、DisplayPort、DVIなどの専用のビデオケーブルが必要です。しかし、DisplayLinkテクノロジーを使用すると、USB接続だけで外部ディスプレイを拡張したり、ミラーリングしたりすることができます。
ビデオ/オーディオ出力
USBを使用してビデオ/オーディオを出力する場合、デジタルビデオ/オーディオ信号が各ソース機器から送信されます。 これにより、ディスプレイやモニター、ヘッドフォンやスピーカーなどと接続された受信側のシンク機器へ出力/再生されます。
ホットプラグ
デバイスの接続や切断を行う際に、コンピューターやホストデバイスの再起動や電源の再接続などの操作を必要とせずに行える機能です。 したがって、デバイスを接続している間でもコンピューターやホストデバイスは動作を続け、接続や切断が可能となります。
On-The-Go
USBデバイス間で直接通信を行うための機能です。 通常、USB接続では、ホストデバイス(通常はコンピューター)と周辺機器(デバイス)の間でデータの送受信が行われます。しかし、USB On-The-Goを備えたデバイスはホストとしても動作することができ、他のUSBデバイスと直接通信することができます。
Type-C の最新機能
Alternate Mode(オルタネートモード)
Alternate Mode(以下、“ALT Mode”という) は、USB-Cコネクターを使用して他の規格やプロトコルに基づく信号や機能を伝送するための機能です。 具体的には、ALT ModeをサポートするUSB-Cケーブルやアダプターを使用することで、映像信号やオーディオ信号を伝送したり、ディスプレイポートやHDMIポートなどの別のインターフェースに変換したりすることが可能です。

USB Power Delivery(USBパワーデリバリー)
USB Power Delivery(以下、“USB PD”という)は、USB-Cコネクターを使用して最大240Wの高出力電力供給が可能な規格です。 従来の機能とは異なり、デバイスの充電や高パワー機器の駆動に適しています。そのため、ALT Modeで映像伝送をしつつ、USB PDで受電し充電するということが可能になります。ノートPC、スマートフォン、タブレット、モバイルバッテリーなど、様々なデバイスで利用されています。

ProAVシステムにおける USB Type-C 導入のメリット
USBの注意点
USBは各製品ごとに仕様の確認が必要となります。 製品によっては対応不可な規格や機能があるので注意が必要です!
USBバージョン規格の名称の複雑化や製品の対応可能な機能がそれぞれ異なります。
そのため、製品を選ぶ際には仕様をしっかりと確認することが必要です。
製品の選定にお困りになりましたら、AVスペシャリストにご相談ください。
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