光ファイバー伝送とは?


光ファイバー伝送とは、光ファイバーケーブルを通じてデータを光信号として伝送する技術のことです。この技術は、インターネット、電話、テレビなどの通信サービスで広く利用されています。高帯域幅と低損失の特性を持つため、高品質の映像信号を長距離伝送するのに適しています。

近年、映像コンテンツは高解像度、広色域化が進み、4K映像が一般化してきました。大容量データを信頼性の高い長距離伝送を可能とする光ファイバー伝送技術は、ProAVマーケットにおいてもさまざまな用途で広く利用されています。

知っておきたい光ファイバー伝送の 4つの特長


Point 01

伝送する信号に依存しない伝送インフラ

特定の信号形式に依存せず、光信号を使用して情報を伝送します。
信号の種類が異なっていても、同じインフラを使用してデータを伝送できるため、柔軟性が高いです。
異なるアプリケーションやシステムを相互に通信させるため、万能な伝送インフラとして機能します。

光信号の伝送インフラ
Point 02

高ノイズ環境下でも信頼性の高い映像伝送

メタルケーブルを使用した映像伝送において、高周波ノイズが発生する環境下では映像やデータの伝送に影響を及ぼすことがあります。
光ファイバー伝送は、伝送路にノイズの影響を与えることなく、鉄道、工場、病院などの高周波ノイズが多い環境でも信頼性の高い映像伝送を実現します。

鉄道・工場・病院
Point 03

狭小スペースでも優れた配線効率

光ファイバーケーブルは非常に細く、かつ柔軟性が高いため、狭いスペースや複雑な配線経路でも効率的に配線が可能です。同軸ケーブルやLANケーブルと比べて、より多くの光ファイバーケーブルを束ねることができます。コネクタ部分もコンパクトなため、スペースに制約がある場所で重宝されます。

同軸と光ファイバーの比較
Point 04

建物間の長距離伝送にも最適

一般的に、メタルケーブルを使用した映像伝送の限界は約200mです。光ファイバー伝送なら数十キロの長距離伝送が可能です。
光ファイバーは信号の損失が少なく、高品質な通信が可能であるため、建物間の映像伝送や大規模なネットワークの構築に適しています。

同軸と光ファイバーの延長比較


光ファイバーとメタルケーブルの映像伝送比較


伝送方法 光ファイバー伝送 メタルケーブル伝送
最大延長距離 40 km 約200 m
メリット
  • 広帯域伝送
  • ノイズに強い
  • 長距離伝送
  • 長寿命
  • 施工の容易性
デメリット
  • 端末加工工事が必要
  • 電気的ノイズの影響を受けやすい

AVスペシャリストにご相談ください

光ファイバーケーブルの採用事例


大規模
ハイブリッド配信&教室連携システム
ハイフレックス型授業をサテライト教室にも拡張可能なハイブリッド配信システムを実現
光伝送 4K AV over IP Dante HDBaseT PinP オンライン授業 サテライト配信
鉄道
駅構内デジタルサイネージシステム
外来ノイズの多い広い駅構内で、ノイズ耐性の高い映像配信システム
光伝送 4K SDVoE
手術室
術場映像支援システム
高周波ノイズの多い手術室内で光伝送によりノイズ耐性の高い映像システム
光伝送 4K SDVoE
導入事例
イエール大学
教室間連携システム
AV over IP ベースの複数教室間連携、AV教室統合運用管理システム
光伝送 AV over IP Dante オンライン授業 サテライト配信
導入事例
メッセ・ベルリン
複数部屋統合管理システム
複数のコンベンションルームをシンプルな機器接続とケーブル配線により実現したAV統合運用管理システム
光伝送 4K AV over IP
導入事例
欧州議会
議場システム
SDI 設備とHDMI 設備のシステムをIP ベースで統合。拡張性、将来性に富んだ保守性の高い会議システム
光伝送 4K AV over IP


COLUMN

銅資源の枯渇リスクと光ファイバーケーブルへの転換

メタルケーブルの導線として使用されている銅が、現在大きな注目を集めています。その理由は、銅の優れた電気伝導性が、再生可能エネルギー発電や電気自動車などのクリーンエネルギー技術の重要資材として、ますます需要を高めているためです。

しかし、新型コロナウイルスの影響により、主要な銅鉱山があるチリ、ペルー、中国などの採掘が滞り、銅の需要と供給のバランスが崩れました。これにより銅価格は一時的に上昇したと言われています。2024年の銅市場は、採掘活動の回復が予想されていますが、気候変動対策の推進や中国の経済回復の可能性によって、銅の需要はさらに加速します。
さらに、銅建値によると、2020年12月に1キログラムあたり847.8円だった銅価格は、2024年3月には1,342.1円まで上がり、約1.5倍に高騰しました。この価格の上昇傾向は、将来的には銅を使用する全ての製品に影響を及ぼす可能性があります。

供給過剰の見通しが僅かにあるものの、長期的な視点では、供給不足と価格の急騰が懸念されています。

銅の供給不足と価格の不安定性が高まる中、光ファイバーケーブルへの移行は、次世代の伝送技術の発展において不可欠なステップとなります。電気信号ではなく、光を用いて情報を伝送する光ファイバーは、高速かつ大容量のデータ伝送が可能で、屋内での耐用年数は約20年と言われています。
今こそ、持続可能でコスト効率の高い伝送インフラへの転換を進めるべき時期に来ているのではないでしょうか。



IDK製品の機器選定をする際の注意点

マルチモードファイバーにはOM1、OM2、OM3、OM4、OM5シングルモードファイバーにはOS1、OS2 という規格があります。
IDK の光伝送機器は対応する光ファイバーの種類と延長距離によって、光ファイバー規格の指定があります。
IP-NINJARシリーズの場合、マルチモードファイバー(OM3)では最大延長距離が300 m、シングルモードファイバー(OS1)では最大延長距離が10 kmとなります。

※各機器で使用できる光ファイバーについては各製品ページをご参照ください



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光ファイバー伝送製品


HDMI延長器


DVI延長器


SDI延長器


DisplayPort延長器


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